スポーツ心理学の第一人者で、多くのアスリートのメンタルコーチを務めている荒木香織さん。
2015年のラグビーワールドカップ(RWC)で男子日本代表を歴史的勝利に導いたことで一躍有名になりました。
また、心理学の専門家として「ホンマでっか!?TV」や「林先生が驚く初耳学!」などにも出演し、私たちの日常生活にも使えるメンタルの鍛え方などを分かりやすい言葉で発信されています。
今回は荒木香織さんの経歴について、出身大学や大学院、ご結婚されているのか等、様々な方面からリサーチしました!
かっこいいですよね!一体どんな方なのでしょうか?
荒木香織の経歴や出身大学は?
荒木香織さんは1973年生まれの京都市出身。
中学・高校・大学と、陸上競技部で短距離選手として活躍しました。
中学時代は3年間全国大会に出場。
高校では国体選手に選ばれるなど、実力もトップクラスでした。
しかし、本番に弱く、大会では良い成績を残すことが出来なかったそうです。
日本大学を卒業後、故郷・京都の私立高校で保健体育の非常勤講師として働き始めますが、自分のやりたいことと少し違うと感じた荒木香織さん。
アメリカに語学留学することを決意します。
当初は1年間の予定で渡米しましたが、語学学校の先生から推薦され大学院へ進学することに。
荒木さんは、そこから実に8年間をアメリカで過ごし、スポーツ心理学を学びました。
自分自身が陸上選手として活動していた学生時代、なぜ勝負弱かったのか。
その原因を心理学の方面から解明しようと研究してきたのですね。
また、荒木香織さんはアメリカ滞在中の8年間で3つの大学院に通われています。
授業料などは、学部生に授業を教えて給料を得たり、返済不要の奨学金を獲得していたとのこと。
相当な努力をされていたことが伺えます。
将来の日本のため!助かる学生は多い。私はアメリカで大学院に3つ行きました。どの大学院でも、返還義務のない奨学金を勝ち取り、授業料免除+授業担当分の給与で過ごしました。まあ、帰国してから撃沈しましたが笑
【独自】政府、博士課程1000人に年230万円支援へ https://t.co/gCIpuj3ruK— Dr.Kaori Araki 荒木香織 (@arakikaori) December 15, 2020
ちなみに、この時期の荒木さんはアメリカのラグビーチームで選手としてプレーしていた経験もあるといいます。
それが後の日本代表チームのメンタルコーチの仕事につながったことは間違いありません。
〈学歴〉
- 博士:ノースカロライナ大学大学院グリーンズボロ校 運動スポーツ科学(スポーツ運動心理学専攻)
- 修士:ノーザンアイオワ大学大学院 教育学研究科 健康・体育・レジャーサービス(スポーツ心理学専攻)
- Graduate Certificate:ノースカロライナ大学大学院グリーンズボロ校(女性ジェンダー学専攻
- 学士:日本大学文理学部体育学科 保健体育審議会陸上競技部所属
〈職歴〉
- 2005年 早稲田大学人間科学部 助手
- 2006年 シンガポール南洋工科大学国立教員学院 専任講師
- 2008年 兵庫県立大学 環境人間学部・環境人間研究科 准教授
- 2016年 園田学園女子大学 人間健康学部 教授
しかも陸上もトップレベルの実力、まさに文武両道ですね
メンタルコーチとしてのキャリア
アメリカでスポーツ心理学を学んだ荒木香織さんでしたが、帰国後はなかなか専門を活かした仕事に就けなかったそうです。
シンガポールの大学で専任講師として働き始めますが、その間に北京オリンピックセーリング代表チームのメンタルコーチに就任。
スポーツ心理学の専門家としてのキャリアをスタートさせました。
そして2012年、当時のラグビー男子日本代表ヘッドコーチ、エディ・ジョーンズ氏から請われ、チームのメンタルコーチに就任します。
英語が使えてラグビーの経験もある荒木さんがまさに適任だったというわけです。
そこから荒木さんは、負け慣れしていて諦めムードだったチーム全体の意識改革を進めていきました。
そうして迎えた2015年のラグビーワールドカップ(RWC)イングランド大会。
日本代表は初戦でいきなり世界ランキング3位の強豪・南アフリカを相手に歴史的勝利を収めます。
過去24年間で一度もRWCで勝ったことのなかった日本チームの驚くべき勝利。
その熱い展開に日本のみならず世界中が熱狂しました。
この快挙によりメンタルコーチとしての手腕が認められた荒木香織さん。
ラグビー日本代表チームのメンタルコーチを退任後も、プロスポーツ選手や実業団・学生チームなど、様々なアスリートをサポートしています。
男子ラグビー日本代表メンタルコーチ(2012−2015年)
ジャパンラグビートップリーグチーム
社会人・大学陸上競技部
V・プレミアリーグチーム
他、チーム・個人多数
引用:「株式会社CORAZON ホームページ」より
日本でマイナーだったラグビーもここから一気に大人気スポーツになったものね
荒木香織は結婚してる?
荒木香織さんはご結婚されており、ご主人は中学校の先生だそうです。
一般の方ということもあり、ご主人についての詳しい情報はなかなか見つかりませんでした。
しかし、荒木香織さんも高校の先生をされていたことがありますので、教員免許を取得した大学や教員時代のご縁で結ばれたのかもしれませんね。
また、息子さんがいることも分かりました。
2015年のラグビーW杯当時、お子さんは生後11ヶ月だったとの話がありますから、現在は5歳くらいでしょうか。
勝った瞬間、スタンドの上のほうで観ていたのですが、ゴーッと地響きのような歓声で。私は抱っこしていた息子を落とすんじゃないかと必死でした。
引用:「BUISINESS INSIDER ミライノツクリテ−荒木香織」より
ちなみに、南アフリカ戦で日本が勝利したときは、子供を産んだ時よりも興奮したんだとか(笑)
ラジオ深夜便にラグビー日本代表メンタルコーチ(2012から3年間)を務めた荒木香織氏登場。エディ監督からキック成功率を上げての要請で五郎丸「プレ・パフォーマンス・ルーティーン」は3年がかりで完成。南ア戦勝利は子供産んだ時より興奮。 pic.twitter.com/6GGxUZ5iZF
— 三浦彰WWDジャパン編集委員 (@miura0907wwd) June 17, 2016
ご主人とお子さんもイングランドで荒木香織さんと一緒に日本代表の歴史的勝利を見守っていたのですね。
きっと理解のあるご主人だから、仕事と子育てが両立できているんだろうなぁ
荒木香織「ホンマでっか!?TV」での心を鍛えるヒント
スポーツや健康に関する心理学評論家として、教養系のバラエティ番組に出演されることもある荒木香織さん。
その中のひとつに、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」があります。
2017年5月にパニック障害やあがり症、緊張への対処法を取り扱った回に出演されました。
その中で私たちの生活にも取り入れられそうなお話がありましたので紹介します。
「プレ・パフォーマンス・ルーティーン」
緊張しやすい人は、プレ・パフォーマンス・ルーティーンを身につけるのが良いということです。
プレ・パフォーマンス・ルーティーンとは、主にアスリートがパフォーマンスの直前に行う一連の動作のこと。
ラグビーの五郎丸歩選手のキック前の動きが有名ですね。
ある動作を習慣化・自動化し、いつも通りに実行することで、邪魔な思考を排除し、集中力を高めることができるようになります。
その結果、後に続く動作を「いつも通り」スムーズに行うことができるというわけです。
五郎丸選手のルーティーンは、荒木香織さんも一緒に開発されました。
- 右手を2回動かす
- 両手を胸の前で組む
- 右足から後ろに下がる
- 8歩で蹴る
という一連の流れになっています。
このルーティーンが完成するまでに3年間の試行錯誤があったとのこと。
特徴的な胸の前で手を組むポーズだけが取り沙汰され、験担ぎのようにとらえられていることにもどかしい思いがあるようです。
どれだけ説明しても、記事になると、「ポーズ」。選手の努力の結晶をなぜそんなに軽く扱うのか。日本のスポーツのためにもならない。#歴史を変える #主体性 #憧れの存在 #プレパフォーマンスルーティン
五郎丸が“五郎丸ポーズ”語る「違和感」引退会見(デイリースポーツ) https://t.co/8uCqR5KcOF
— Dr.Kaori Araki 荒木香織 (@arakikaori) December 16, 2020
最近は、五郎丸選手のプレ・パフォーマンス・ルーティーンについての取材を受けることが多く毎日2回くらい誰かに説明をしています。
ただ、メディアに出ていくときには編集がされるため真意が伝わらないことが多いのが残念です。(中略)
まず、「お祈りポーズ」「五郎丸ポーズ」と命名されていますが、あのポーズには全く意味はありません。
あのポーズをしても精神統一はできません。あのポーズをしてもキックは成功しません。
くれぐれも誤解のないようにお願いします。
単に「プレッシャーを取り除く」や「精神統一」、そして「集中できる」と表現されることが多いですが、どれも当てはまりませんので気を付けてください。
引用:荒木香織ブログ「スポーツ科学deメンタルトレーニング 「五郎丸ポーズ」について」より
最高のパフォーマンスを発揮できるよう考え抜かれたものだったんですね!
詳しく知ることが出来てよかったです
「レジリエンス」
また関西出身の荒木香織さんは、同番組内で「関西人はテンパりにくい」という説も披露されています。
関西人には「レジリエンス」が備わっているようなのです。
「レジリエンス」とは、「復元力、回復力、弾力」と訳されます。
心理学では「困難な状況にあってもしなやかに適応し、乗り越える力」といった意味で使われます。
荒木さんがレジリエンス研究から導き出した「心を鍛える10ヶ条」です。
#逆転人生 でOAしていただきました #心を鍛える10ヶ条 です。心理的レジリエンスの研究もとに作成しました。「リーダーシップを鍛える」にも書きましたので、是非!https://t.co/cvDM9lzfY0 pic.twitter.com/9nq5PGyQy1
— Dr.Kaori Araki 荒木香織 (@arakikaori) December 8, 2020
コロナ禍の現在はまさに「困難な状況」の真っ只中。
この「心を鍛える10ヶ条」は、私たちにとってもこの状況を乗り越えるヒントになりそうです。
荒木香織プロフィール
荒木香織さんの詳しいプロフィールを見てみましょう。
名前:荒木 香織(あらき かおり)
出身地:京都市
出身校:京都女子中―京都女子高―日本大学文理学部
主な著書:『心の鍛え方』『リーダーシップを鍛える』
スポーツや健康に関係する心理学を専門としています。教育・研究活動のほか、スポーツ心理学を基盤とするメンタルトレーニングのプログラムをコンサルティングしています。ラグビー男子日本代表メンタルコーチとして2012年より「ラグビーワールドカップ2015」終了まで活動しました。
引用:「荒木香織」公式ホームページより
- 園田学園女子大学 人間健康学部 教授
- 株式会社CORAZON(コラソン)チーフコンサルタント
- Asia-South Pacific Association for Sport Psychology 副会長
- 日本スポーツ心理学会 理事
- 日本体育学会 体育心理領域 理事
- スポーツメンタルトレーニング指導士会 理事
まとめ
- 大学教授で、メンタルトレーニングコンサルタント会社のチーフ
- メンタルコーチとして男子ラグビー日本代表を歴史的勝利に導いた影の立役者
- アメリカの大学院でスポーツ心理学を学び、多くのスポーツ選手をサポート
- 自分自身も陸上やラグビー等の経験あり
- 結婚していて、息子さんが一人
スポーツ心理学の専門家として、多くのアスリートのメンタルコーチを務めてきた荒木香織さん。
スポーツ界のみならず、教育やビジネス、日常生活の場面でも活かせるメンタルトレーニング方法を発信しています。
そんな荒木香織さんのTwitterや著書には、現代社会をしなやかに生き抜くヒントがいっぱい。
何かと気分が落ち込みがちなコロナ禍の昨今ですが、荒木さんの言葉を参考にして乗り越えていきたいものです!